歯周病の原因

歯周病の原因は細菌性プラーク

プラーク(歯垢)とは、歯に付着している白、または黄白色の粘着性の沈着物で、多くの細菌とその産生物から構成されています。 プラークはバイオフィルムとも呼ばれていて強固に歯に付着しているだけでなく、薬品では除去しにくい構造になっています。 このプラーク1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。 その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。
お口の中にはおよそ700~1000種類の細菌が住んでいます。
これらは口腔内常在菌として普段あまり悪いことをしませんが、どこかに清掃が不十分な場所があり、その状態が長く続くと歯周病の原因菌である悪玉菌が増殖していきます。
そして、細菌自体が歯肉に侵入し、毒素を産生することで炎症を引き起こします。

歯周病原性細菌の種類

口腔内に存在する700~1000種類の細菌すべてが歯周病とかかわっているわけではなく、歯周病ととくに関連が強い細菌はレッドコンプレックスと言われ、以下の3菌種です。

1. Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)

歯周病の患部以外からは検出されにくいことから、歯周の炎症などの歯周病の症状に大きく関わっていると考えられています。強い吸着力で歯肉組織にくっついて歯周組織を破壊や、正常な免疫活動を乱すほか、細菌の内毒素が歯槽骨の吸収を引き起こします。

2. Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)

歯周組織に定着するタンパクを持つ、歯肉縁下プラークに多く見られる細菌です。 タンパク分解酵素によって歯周組織を破壊するほか、免疫を抑えることで治癒を妨げると考えられています。治療後にT.d.菌の割合が高い場合は、再発の恐れがあるため注意が必要です。

3. Tannerella forsythensis(タネレラ・フォーサイセンシス)

通常の歯周病の治療ではなかなか治らない、難治性歯周病の指標にされる細菌です。 歯周組織の破壊が強い部分や、深部での活動性の高い病巣で多く見られ、T.f.菌が存在する場所では必ずP.g.菌とT.d.菌が検出されるといわれています。

以上の3菌種が歯周病の発症および進行に深く関係していることが解明されています。
それ以外にも・・・

4. Aggregatibacter actinomycetemcomitans

若年性の歯周炎に多く見られると報告されています、好中球の働きを低下させるほか、内毒素やその他の毒素により歯周組織や身体の免疫反応に必要な細胞を壊します。 歯肉組織の中にまで侵入して急速に症状を悪化させる「侵襲性歯周炎」に関係しているといわれています。

5. Fusobacterium nucleatum

ヒトの口腔内に常在する細菌で、プラーク(バイオフィルム)形成の中心菌と考えられています。

他の菌とともに「バイオフィルム」と呼ばれる“ヌメリ”を形成して、歯の表面に付着するのです。
足の臭いや銀杏の異臭の元にもなっている「酪酸」を発生することから、口臭の原因にもなります。

歯周病の危険因子(リスクファクター)

局所的な因子として、プラークリテンションファクターと外傷性修飾因子に分けられます。
プラークリテンションファクターとは、この因子が存在するとプラークの蓄積量が増加しやすく、炎症が起こりやすくしている因子です。

1. 歯石

歯石は表面が粗造である為、プラークが付着しやすく、最も重要なプラークリテンションファクターであり、歯周病治療の成否にはその確実な除去が重要になります。

2. う蝕

歯と歯茎の境目にう蝕があるとう窩およびその辺縁部にプラークが蓄積し、歯周病を発症進行させる原因になります。

3. 不適合な被せ物、詰め物

適合の悪い詰め物や被せ物は、不適合な部位にプラークが溜まりやすく、重要なプラークリテンションファクターとなります。

4. 口呼吸

口呼吸の患者さんは、口腔内が乾燥しやすく、唾液による自浄作用が低下し、プラークが溜まりやすくなります。

5. かみ合わせの異常や歯並びが悪い

咬み合わせ異常や歯並びが悪いと自浄作用が低下し、歯ブラシも難しくなるためプラークコントロールが困難になります。

6. 歯周ポケット

深い歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)があると歯ブラシの毛先がポケットの深い位置まで届かず
プラークが停滞しやすい状態になります。
また深い歯周ポケット部では酸素分圧がさがり、歯周病原性菌が増加しやすくなります。

7. 根分岐部病変

奥歯の歯根は複数根あり、形態が複雑でプラークが停滞しやすく、除去も困難になります。
プラークコントロールをしやすくするために様々な処置を行います。

8. 歯の形態異常

歯にはさまざまな形態異常が存在し、上顎の側切歯に診られる斜切痕や下顎の奥歯に認められるエナメル真珠、エナメル突起、バイファーケーションリッジなどがあり、プラークコントロールを困難にします。

外傷性リスクファクター

1. 外傷性咬合

外傷性咬合とは、歯周組織にダメージ(咬合性外傷)を与える咬合の状態をいいます。
これは、歯科補綴物や充填物などが原因です。

一時的に歯の動揺の増加を認め、外傷性咬合の原因を除去することで動揺も改善するが、歯周病に罹患した歯に外傷性咬合が加わると急速に歯周病が進行します。

2. ブラキシズム

咀嚼時以外に上下の歯が長時間接触している状態で、歯ぎしりやくいしばりなどの悪習癖で、歯周組織に対して外傷力として働くことで歯周病を悪化させる原因になります。

全身的なリスクファクター

1. 年齢(加齢)

加齢により、細胞機能や各種代謝機能に低下が起こるので、加齢は歯周病の進行に関与する全身的なリスクファクターとされています。

2. 人種

侵襲性歯周炎の発症に関して白人で0.1%、黄色人種で1%、アフリカンアメリカンでは数%と報告されています。
現在人種差を生む要因に関して解析が進められています。

3. 体質(遺伝因子)

(1)遺伝性疾患
ダウン症やPapillion-Lefevre症候群などは好中球の走化性や、貪食能など免疫応答に関連する遺伝子に欠損があり、歯周病の発症頻度や進行の程度が増加します。

(2)代謝性疾患
低アルカリフォスファターゼ血症や膠原病などでは歯周組織の代謝異常を認め、歯周病の症状が悪化しやすくなります。

(3)血液疾患
周期性好中球減少症は、一定の周期で好中球が減少する疾患で、減少期には好中球による防御機構が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。

4. 全身疾患

(1)糖尿病
非糖尿病者と比較して糖尿病者は歯周病の発症率、重篤度が高く、糖尿病に起因する代謝障害により歯周治療の治癒が妨げられます。

(2)後天性免疫不全症候群
HIV感染により、免疫機能が低下し歯周病の発症や重篤度が増します。

(3)骨粗鬆症
骨粗鬆症の患者さんでは歯周組織においても骨形成能が低下し、歯周病の病態の悪化に関与している可能性が示唆されています。

5. 環境因子(後天的リスクファクター)

生活習慣による要因を後天的リスクファクターと言います。
生活習慣と歯周病は大きく関わっているため、当院では女性歯科医師によるカウンセリングと、歯科衛生士による食事指導を行っています。

口腔と全身は大きく関与するため、資格を取得したサプリメントアドバイザーがお一人お一人の症状に応じたサプリメントのアドバイスを行っています。

(1)喫煙
喫煙は歯周病の環境因子からみた最大のリスクファクターです。
喫煙者は非喫煙者に比べて2から8倍、歯周病に罹患しやすいことが報告されており、また喫煙により歯周病の治癒反応を大きく低下させます。当院では、歯周病治療に先立ち、喫煙者の方は禁煙をして頂くことから治療にはいります。

(2)ストレス
ストレスは歯周病の重症化に関連し、免疫機能をはじめ、ストレスによる歯ぎしりなど歯周病に関連しています。

(3)栄養障害
ビタミン摂取不足などにより、歯周病の発症と進行に影響があることが報告されていますが、現在の日本では食生活が充足しているので栄養障害の影響は少ないと思われます。ただ、高齢者において栄養障害の影響は懸念されています。

(4)肥満
肥満者では、脂肪細胞から炎症性伝達物質等が産生されることにより、歯周組織を易感染性に陥れると考えられています。

(5)薬物
てんかん、高血圧、臓器移植の際の治療薬として使用される薬剤によっては、歯肉増殖症が誘発されることがあり、また常用薬によっては唾液の分泌を低下させ、口腔内の自浄作用が低下し、歯周病の進行に影響を与えます。

歯周病とサプリメント

様々な原因によって口の中の健康が害され、歯周病菌が増殖することで歯周病が発症、悪化します。
そのため、損傷した歯周組織を回復させるために必要な栄養素や、歯周病菌による炎症を抑制する効果のあるサプリメントを処方します。

当院が処方するサプリメント類

・ 歯周組織の回復に必要(ビタミンB群、ビタミンC、等)

・ 口腔内細菌と腸内細菌の双方の環境を整える菌(ロイテリ菌)

・ 活性酸素を取り除き炎症を抑制に効果的(水素・コエンザイムQ10等)

 

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